尾瀬ヶ原から鳩待峠へ。
TPTさんのサスティナブルーツアーのガイド3日目。
ヨシッポリ田代から、燧ケ岳の裾野に登る朝日。
朝焼けで赤くなる至仏山。
東電小屋を出発です。
昨日の道中、「さっき茶色いドロドロが落ちてたんですが何ですか?」と聞かれて「恐らくドングリを食べて消化不良の動物のフンです」と答えてたのですが、
同じ物を今日見つけました。
ドングリ色の消化不良のフンですね。
大きさから言ってオコジョとかネズミくらいの大きさの動物でしょうか。
朝露を浴びるオゼミズギク。
ヨッピ橋を渡り、牛首分岐までの間にある大きな池塘。
オゼタイゲキが見事に赤く染まっています。
ゲノム解析で「ハクサンタイゲキと変わらない」ということになって、オゼタイゲキという分類は無くなりましたが…
それでも尾瀬を歩いてるときはオゼタイゲキと言わせてもらいます。
ズミの実が沢山なってます。
写真右上にカエデの葉のようなのが付いてますが、ズミは通常の長楕円形の葉の他に、切れ込みの有る葉を付けます。
クロウメモドキの実かな…?
美味しそうに見えますが生では食べない方が良い実です。
加工して下剤としても使われるそうですが、今ではあまり利用されてないとも聞きました。
薬効のメリットとデメリットの釣り合いが悪いのかな。
カラコギカエデの葉と種子。
『ヤチイタヤ』という別名通り、谷地(湿地)に多く、これも拠水林の中です。
尾瀬ヶ原で良く見られる場所としては、竜宮手前のお賽銭の小川沿いの低木帯に沢山生えてます。
綺麗に赤くなる葉なのですが、まだ紅葉には早かったようです。
トモエソウの実。
花も大きくて目を引きますが、種も大きいのでお客さんが「これなんですか?」と質問してきやすい実です。
写真だと分かりづらいですが、右の池塘の脇にシラカバが一本生えています。
ぽつんと存在するシラカバにお客さんも目を引かれます。
一眼レフを持っているお客様は、一本シラカバを見事に生かした写真を撮影しましたが…私はよく分からない写真になってしまいました。
上田代の逆さ燧の池塘。
日当たりが良いのでイモリが日向ぼっこ。
山の鼻に到着して最後の休憩。
コーヒータイムでお客様が私のぶんまでコーヒーを注文してくれました。
まだ午前中の早い時間で喫茶営業してない山小屋が多い中、一軒だけコーヒー等の限定とは言え喫茶をやってくれてました。
ありがたいですね!
鳩待峠に到着してゴールです。
ここでもお客様達が尾瀬のお土産を購入してくれてました。
今回の山旅で、山小屋がある地域による度に、飲食やお土産などで山小屋を利用していただきました。
コロナで元気がなくなった中、尾瀬の活性化にご協力いただいて本当にありがとうございます。
戸倉の町に下山し、お客様は沼田行のバスで御帰宅。
私は大清水に駐車したので、一度車をとりに大清水に戻らないといけません。
バスの本数が少ないので乗り逃がすと大変なのですが…
せっかくの機会なのでバス停の前に有る食堂でカツカレーを食べていきました。
(バスの時間も有るので結構大慌て)。
今回、随所で食堂を利用した為に、昼食用のパンがあまりまくっているのですが…それでも時間が無い中、地元戸倉のカツカレーをあえて注文です。
ここ数年、行程がタイトな尾瀬のガイドが多くて、お客様と合流してから戻るまで慌ただしいことが多く、この食堂で食べるのは4年ぶりくらいでした。
コロナで営業がどうなっているか心配でしたが、4年前と同じカツカレーを食べることができました。
尾瀬の山小屋や売店、麓の宿や食堂などが消えることなく、ずっと続いてくれると良いのですが…私も少しでも尾瀬を盛り上げる為に頑張りたいと思います。
今回、環境省さんの補助事業で、尾瀬をじっくり味わうことができるサスティナブルツアーでした。
山小屋に到着してからの時間が余るほどの余裕のある行程です。
周辺をフラフラしながら、喫茶でコーヒーを飲んだり間食をしたりなど、贅沢な旅が出来ました。
尾瀬以外の旅行でもそうですが、少しでも遠くへ沢山見に行こうと日程を詰め込んでしまって楽しめないことが多いです。
行程に追われて大急ぎで歩いて出発するよりも、『時間が余る贅沢な山旅』というのを皆さんもしてみませんか?
松田ガイドからの一言。
2021年10月4日。