今季最後くらいの尾瀬ガイド。
初雪も済ませ、もうプライベート以外ではいかないかな、と思ってた尾瀬ですがガイドの依頼がきました。
学校のガイド依頼でしたが、生徒達が宿泊しているホテルではハロウィンの飾りが有る時期です。
コロナの緊急事態宣言が明けて、中止にしていた修学旅行や体験旅行を今から開催している学校も多いので、この遅い時期い駆け込みで依頼が来るのも仕方ないですね。
とはいえ、初雪も振り、木道も滑り易く危険です。
元受けのガイド組織を通じて、他の場所への変更を打診しておいたのですが…
『尾瀬以外であれば中止になる、危険だと判断したらその場で戻ってもらって構わないという』条件で尾瀬に行くことに。
私は今日は招集されたその他大勢のガイドの一人でチーフでも主催者でも無いので、クライアントと直接相談は出来ませんでしたが、先方がそう言うのならばと尾瀬へ行ってきました。
事前の情報では、木道部分の雪は溶けていると聞いていますが、人が歩かない部分にはこうやって雪が残ってるのを見ると、やはり団体客で来て良いギリギリですね。
個人のお客様のガイドでしたら、もっと遅い時期(尾瀬が閉まる最終日)とかでも受けたりしてます。
お客さんが一人や二人なら、最悪の場合でもロープで繋いで安全確保しながら歩けます。
でも、団体ガイドとなるとそうもいかないので、この時期は難しいですね。
こんな寒い日ですが、木道にキセルガイモドキ。
夏に見かけるのよりも小さい気がしますが、今年の産卵から成長した個体なんでしょうか。
ダイセンヤマナメクジもこの時期は細く小さくなったのばかりです。
それでも充分大きいのですが…ヤマナメクジ。
微妙に悪いお天気。
雲がかかっていて放射冷却が無かった為に木道が凍ったりもせずに歩けてます。
コマユミの濃い赤。
イワナが二匹。
もしかしたら産卵の為に雄と雌でしょうか。
いつもはこの場所に一匹、そして少し離れた別の場所にもう一匹居るのですが…
別の場所のイワナが居なくなってるので、こっちに集まったようです。
テンマ沢田代。
枯れ葉の風景。
カラマツの黄葉。
ミズナラの木に出来た熊棚。
ヤシャビシャクの実。
スグリの仲間なので、食べられるのかな~?などと思いながらいつも見てますが、国立公園以外で見つけたことが無いので味わったことは有りません。
普段は巨木の枝の上に咲く植物なので、顔の高さで見ることはありませんしね。
山小屋の締まった山の鼻を抜けて尾瀬ヶ原へ。
雲の間から、僅かに顔を覗かせた、冠雪の燧ケ岳。
ズミの実。
バラ科リンゴ属。
明日はリンゴ狩りだというので、リンゴの仲間だよと言ったら小ささに驚いてました。
イモリがヒツジグサの葉の上で日向ぼっこしてました。
折り返し。
今日は何事も無く戻ってこれました。
でも、たまたま天候に恵まれただけです。
木道に雪が残って居たり、夜間の冷却で霜が降りたりしたら、団体ツアーは危険で出来ません。
どうかこの時期に尾瀬行きを企画している人は、ガイドや山小屋*(至仏山荘以外は小屋仕舞いしてますので、営業してるか確認してから問い合わせましょう)、尾瀬保護財団などに充分な確認を取ってください。
晩秋の尾瀬。初雪・初霜も済ませ、たまたまその雪が溶けたタイミングなので団体さまでも行ってこれましたが、普通ならばこの時期の団体ガイドは受け付けて居ません。
今回、旅行会社とホテル、学校の間だけで予定が決まっていて、ガイド団体は意見が言えませんでしたが…このたまたまの好条件が無ければ歩き始めて5分で戻っていた可能性もあります。
晩秋の尾瀬は、秋のハイキングの領域を大きく逸脱しています。
計画を立てる時は、是非ガイドや尾瀬を良く知っている機関に相談してください。
個人客の数名のガイドならば尾瀬が締まるギリギリの日程でも受けたりしますが、それでもお客さんの体力や装備、そして予定日の天候などじっくり相談しての決行になります。
それだけリスクの有る場所だということの周知は必要だと思いました。
松田ガイドからの一言。
2021年10月26日。