2012年 9月前半の尾瀬。
夏の花と秋の花が入り混じる季節です。
今年は花の数が多いような気もします。
また秋の花が咲き始めるのが少し早いような気もします。
被写体が多くなる時期というのもあって、写真が大目になってしまったので前半後半を分けて掲載。
9月前半。
お天気はいいですが、薄いハケ状の雲などが出始め、秋の気配を漂わせてきます。
鳩待峠の山道沿いにてトリカブト。
今年はトリカブトの花がよく咲いてます。
満開になる時期も少し早かったような気も。
山道の木道沿い、動物が踏んだ跡っぽいところに残っていた実。
キイチゴ類だと思うんですが、詳しい種類までちょっと分かりませんでした。
モミジイチゴやニガイチゴ類ならとっくに実が終わってるし・・・。
写真を撮ってから日記にアップするまで間が空いてるので後から思い出そうとすると分からなかったりします。
9月の頭でもう紅葉が少しずつ始まってます。
山ノ鼻にてウワミズザクラでしょうか。
セリ科の花。
ミヤマセンキュウとかオオカサモチとか種類が細かく幾つもあるんですが・・・パット見て区別が中々つきません。
ゴマナ(キク科シオン属)。
この花はちょうど今が盛りですね。
尾瀬ヶ原にて。
アブラガヤが茶色く色づいてきました。
この手の地味なお花はお客さんもあまり興味を示さないので、お花の名前を言うかどうかくらいなので、詳細を忘れてしまいがち。
見た目から、ずっとイネ科だと勘違いしてて、よく調べてみたらカヤツリグサ科でした。
さすがカヤツリグサ科の宝庫尾瀬。
・・・何年か前にもこんなことを調べた気がします。
また何年かごには忘れてそうですね。
オゼミズギク。
9月も初旬を過ぎる頃になると、綺麗に咲いているものがあまり見れなくなります。
物資を輸送するヘリコプター。
エゾリンドウ(リンドウ科リンドウ属)。
湿原にて最後に咲く花。
この花が咲けば、この後に新たに咲く花はもうありません。(狂い咲きなど除く)
ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)。
低山に生えてるアキノキリンソウと似てるので、人によっては普通のその辺のお花と思ってあまりありがたがらなかったりしますが、立派な高山植物。
茎の下の方までお花が付いてるのが普通のアキノキリンソウ。
頭頂部に丸く可愛く付いてるのが本種です。
と言っても、アキノキリンソウでも頭頂部分にだけお花がまとまってる時もあるし、ミヤマの方も花が下の方に咲いてる時もあります。
サワギキョウ(キキョウ科ミゾカクシ属)。
夏の花なので、僅かに綺麗な紫の花が残り、他の所は種になっています。
有毒植物とか言われてますが、若菜は似てさらして食べるという記述があったり謎ですが、総じて有毒植物であることに変わりは無い様です。
まあ、軽く毒がある植物を食べることは結構ありますしね。
トンボの産卵。
何トンボだろう・・・サナエトンボ?
こちらも恐らく、ミヤマアキノキリンソウ。
お花が頭頂部だけでなく下の方まで分布してるのでミヤマっぽくないですが、顕微鏡で花を調べるとミヤマの条件を満たしてるです。
ミヤマワレモコウ(バラ科ワレモコウ属)。
そろそろ湿原を歩き始めてから「何でもミヤマって付いてるのね」とお客さんに言われる頃ですね。
ワレモコウは園芸品種にもありますし、平地の草地にも生えているので、お花が好きなお客さんだと「平地の一般的な花」と認識してる人が多いです。
雄しべがはみ出すほど長いので区別が付きますが・・・歩いてて中々そこまで見れないですしね。
イワショウブ。
割りと花期が長いのと、開花前の赤いツボミ、花が終わった後の赤い種も目立つので長い時期楽しませてくれる花です。
ユリ科チシマゼキショウ属と憶えていたのですが、これは長く使われてて日本の花図鑑の殆どが採用している分類法「新エングラー体系」です。
最近、wikiとか見るとチシマゼキショウ科:イワショウブ属になってましたね。
現在、分類法の入れ替えが続々と進んでいる新しい「APG分類法」の様です。
以前はどの分類法を使っているか併記されていることも多かったのですが、最近は併記無しでAPG表記されてます。
両方憶えるの大変です。
池塘に浮かぶヒツジグサの葉。
よく見ると、まだ咲き残ってる白い花が少し混じってます。
ウメバチソウ。
ユキノシタ科ウメバチソウ属(新エングラー)。
APGではウメバチソウ属になったみたいですね。
9月6日。
夏に咲いていたヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)も種になろうとしています。
アケボノソウ(リンドウ科センブリ属)。
蜜線の模様がかわいいです。
オオツリバナ(ニシキギ科ニシキギ属)の実。
まだ赤く熟してないです。
2Mを大きく超える、3M近くにもなる草本。
尾瀬でもかなり目を引きます。
図鑑などでミヤマシシウドと紹介されて、一般的にガイドもそう解説していますが、どうもヨロイグサの仲間らしいです。
ミチノクヨヨロイグサだったかな。
セリ科シシウド属ということで、シシウドの仲間ということに変わりはありません。
ハンゴンソウ(キク科キオン属)。
ハナニガナ(キク科ニガナ属)。
キンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属)。
9月7日。
ウソ。
山道のすぐ横の低い場所に止まり、餌を探したり獲ったりをずっと繰り返してました。
色もつやつやしててくたびれた感じがないので、今年巣立ったばかりの若い個体でしょうか。
人を警戒するよりも、餌の確保が優先なようです。
むしろ人の近くのほうが安全だし、他の鳥があまり来ないから餌が獲りやすいのかもしれません。
山小屋の庭に若い固体が居つくことも多いみたいですしね。(もちろん尾瀬では山小屋の人が餌をやることもないし、生ゴミは出さないようにしてるので、単にそこをテリトリーにして行動してるだけです。)
目が合いました。
カタバミ。
尾瀬で見られるコミヤマカタバミではなく、普通のカタバミです。庭の隅とか田んぼの畦とかに咲いているお花。
尾瀬外から入って来てしまった移入種というやつですね。
数自体はそんなに多くなく、普段はそんなに目に付きません。
湿原にて、この時期は地味なキンコウカ。
初夏には湿原を黄色い花で染めて、秋には草もみじの主役となりますが、この時期は一息ついて草原に紛れてます。
9月頭なのに、早めに紅葉している葉も混ざってきます。
シウリザクラだったかな。
撮影した日から何ヶ月も経過してから写真をまとめているので、当日にどの木の下で撮ったかうろ覚えです。
オニアザミかナンブアザミか・・・。
構図を凝ってしまうと後から判別に困りますね。
山ノ鼻にてイタドリの種。
トンボもとまってますね。
トリカブトを下から撮影。
ミネザクラもうっすらと紅葉してきました。
ナンブアザミ。
シウリザクラ。
枝の先から一部紅葉が始まっています。
尾瀬の秋は早いです。
ミズナラの葉にできた虫こぶ。
ゲンノショウコ(フウロソウ科フウロソウ属)。
高山植物だとハクサンフウロとかが有名ですが、尾瀬ヶ原に至る山道で見かけるのは里山でもおなじみのゲンノショウコ。
ハクサンフウロは燧や至仏に登らないと見れません。